大学内にある、黎生のための私室── 抽送にあわせて溢れる、柔襞を擦る音、艶かしい吐息。 崇史によって的確に打ちこまれて、了理の性器は充溢したまま揺れ、それだけでなくとろとろと先走りも垂らし続けている。衣服を脱ぎ捨てベッドに上がった際からろくに触れられてもいないし、了理自身で触れてもいないのに。 了理は両手それぞれでシーツを掴み、快楽のままに嬌声を響かせる。 「あぁ、あッ、あぁあぁっ……!」 崇史のサイズは大きいから、処女だった了理の蕾は、初体験の日はすべてを飲みこむことはできなかった。しかし、蕾は抉られる機会の度に開き、いまでは嬉しそうに貫通している。 後孔でこんなふうに悦べるなんて……知らなかった……彼らと出会う前は……たまにしていた自慰とは次元が違う、快楽中枢が焦げついてしまいそうな、凶暴なほどの悦び。 了理を誘った張本人の黎生は、椅子に座り、愉しげにこの性行為を眺めていた。 エインズレイの華やかなティーカップでアールグレイを味わいながら。その唇は柔らかくゆるむ。 「大きな声を出すと、外に聞こえて、気づかれちゃうよ……了理君が恥ずかしい思いをするだけだから、俺たちは構わないけどね……」 淫行の発覚など、真堂家の令息である黎生なら簡単に握りつぶせるのだろう。そして、黎生の性玩具である崇史には辱めを嫌がる権利などないから、崇史の意思は確認されない。 崇史は黎生に命じられるがままに腰を使うだけの人形だ──黎生はその『人形』に命じた。 「アナルばかり狙わないで、扱いてあげたら? 了理君の童貞ペニス、さっきから物欲しそうにヒクついてるんだよ」 飼い主に言われて、崇史は腕を伸ばし、了理の肉茎を握りしめる。 繋がったまま扱かれる感触は絶妙で、了理は何度でもあられもない声を漏らす。 「ひゃぁあ、あ、あうぅ……、せんぱ……い……、崇史せんぱ……い……!」 校内でこんな行為に酔いしれているなんて、他人には絶対にばれたくないのに。 咽びを堪えられない。 間近に迫る崇史の美貌は冷ややかなままで、それがまた了理をゾクリとさせ、心音を騒がせる。 絡む視線。見つめあえば、興奮と恍惚もとめどなかった。 (すごい……っ……、崇史先輩……あぁ……この気持ちは……! なんだろう……?!) 口づけされると、身も心もとろけ落ちていく。 もっと堕ちていきたいと願い、了理からも舌を絡ませた。 崇史や黎生のようにはうまく出来ていないと思うけれど、それでも懸命に口腔を抉る。 崇史にひどく惹かれるこの想いは、これまで生きてきて感じたことのない、高揚と感動と崇拝。 了理は酔いしれてうち震える。 初めての感情に溺れる了理を、黎生は薄笑みを浮かべてアールグレイを啜り、ただ眺めていた。 ◆ ◆ ◆ ……仰々しいほどに大きな極彩色の花束を持って外を歩くのは、了理にとって苦痛でしかない。 すれ違う人たちが、皆、なにごとかと振り返る。 知っている人に話しかけられたら、どう説明したらいいのだろう。懸念は母親にも打ち明けたが、実に嬉しそうに、真堂不動産のご令息のお見舞いに行くのだと胸を張って言いなさいと言われた。 了理が黎生と親しくしているのは、彼女にとってはステータスでしかないらしい。 (こんな花束を息子に持たせたなんて知られたら、恥をかくのは母さんもだろうに……) プロポーズするかのような色あいで、とてもお見舞いに持っていくものではない。 それでなくても昨今は生花の差し入れを断る病院も増えている。植物には細菌が付着している場合があり、抵抗力の落ちている病人に障るからだ。 (一応、母さんには、そのように説明したんですけどね) まるで聞く耳を持ってくれず、押しつけられてしまった。 かさばるので、このまま電車に乗ればまわりの人の迷惑にもなる。花自体にはなにも罪がないから、コンビニのゴミ箱に棄てるのも気が引けた。どうしたものかと考える了理の目に止まったのは駅前の花屋だ……穏便に処分する方法が他に思いつかない。 「すみません、さしあげます」 店番をしていた若い女性に渡し、すぐにその場を立ち去った。 「えっ、え? ちょ、ちょっと、えっ!」 当然ながら困惑されたが、足早に改札に向かう。人波を掻きわけて足早に階段を下り、ちょうど来ていた電車に飛び乗った。 (餅は餅屋と言いますし、花は花屋でしょう、たぶん……) 花屋の女性には心のなかで謝っておく。 結局、黎生へのお見舞いの品は、病院近くのスーパーに立ち寄って用意した。ささやかな品をショルダーバッグにしまい、総合病院の敷地内に入っていく。 数年前に行われた大幅な改築には真堂不動産も関わったといい、近未来的なデザイン。病院というよりも美術館のようで、洗練された雰囲気に感動も覚える了理だった。 数日前に倒れた黎生のお見舞いに、了理が訪れるのは、今日がはじめてだ── 病院からの電話の向こう、黎生は気丈に振舞っていた。 『大丈夫、よくあることだから、気にしないで』 とはいえ声は普段より、すこし弱々しく感じられたのも事実だ。 (黎生先輩は、極めて重篤な病に罹っているわけじゃない、でも……) 肺、心臓、いくつもの臓器がじわじわと侵されている。 合併して起こっている病もあれば、まったく関連性なく患っている病もあった。 (生まれつきに身体が弱かった。原因を口にしてしまえば、たったそれだけ) この世界は不条理だ。分かりきっていることを、いまもまた思う。 黎生に教えられた道順通り、西病棟のエレベーターに乗る。六階で降りると見舞客用の消毒アルコールがあったので、了理はきちんと手指を清め、それから廊下を歩いていった。 奥まった個室のドアをノックすると、なかから扉を開けてくれたのは白髪交じりの家政婦だ。了理が真堂邸に赴いた際、顔をあわせたことがある。 「黎生さま、お友達がいらしてくださいましたよ」 広々とした室内に踏み入ると、真っ白なパジャマ姿の黎生と目線が交わった。 「あぁ……了理君……嬉しい。来てくれてありがとう」 ブラインド越しに薄陽が差しこむベッドの上、黎生は枕に背をもたせかけ座っている。細い指で文庫本にしおりをはさみ、パタンと閉じ、ベッドサイドのテーブルに置く。今日もその本は哲学書だ。 点滴を受けてはいたが、顔色はそれほど悪くなかったので、了理はほっとする。 「……お身体の具合は、どうですか?」 決まりきった文句しか口から出ない。家政婦に勧められてベッドサイドのチェアに腰かけつつ、もっと気の利いた言葉が思いついたらいいのに……と、了理は自嘲した。 電話口と同じように、黎生は気丈に微笑ってみせる。 「ちょっと体調を崩しただけだよ。たいしたことじゃないんだ」 家政婦はてきぱきとした動作で、紅茶と菓子を用意してから、買いものに行ってくると告げて病室を出ていってしまった。 黎生は肩をすくめる。 「気を遣って、ふたりきりにしてくれなくてもいいのにね。俺と了理君は恋人じゃないんだから……」 「はい、僕と黎生先輩はお友達です」 確信をこめて告げると、黎生はとても嬉しそうに微笑った。 「ふふ……最初のころは学年が違うから〜、って、遠慮ばかりしてたけど、やっとそうやって言ってくれるようになったね」 了理はショルダーバックを探り、来る途中で買ったお見舞いの品を取りだす。小綺麗な紙箱のなかに、果物入りのゼリーがいくつか収められたものだ。 「つまらないものですが」 「え、なあに? ……わぁ、そんな気を遣わなくていいんだよ」 渡すと、黎生は「ありがとう」と、声を弾ませた。 「開けてもいいかな」 もちろん了理は頷く。黎生は綺麗に包装を剥がす。 「とても綺麗……色とりどりの宝石みたいだね……」 林檎入り、白桃入り、オレンジ入りなどが並んだ中身を見て、黎生はうっとりと呟く。比喩的な感想など思いつきもしなかった了理は、黎生の表現に感銘を覚える。 「黎生先輩は感受性豊かですね」 「そうかな? なぜ?」 「僕にとって、ゼリーはゼリーでしかなかったので」 当然のことを当然のように告げると、黎生は顔を崩して笑った。 「あははは……やっぱり面白い、了理君って」 「そうですか」 自分では面白みのない人間だと認識している。黎生に笑ってもらえる理由が、了理には分からない。 「うん。きみといて、俺は楽しいし」 「恐縮です、僕も黎生先輩といると楽しいです」 ほがらかに微笑いあう。それから、あとで食べると言う黎生に頼まれて、了理はゼリーを冷蔵庫に冷やしにいく。ベッドサイドに戻ってくるとき、窓際にクロッキー帳が置いてあるのを見つける──崇史がよく持ち歩いているものだ。 「これは、崇史先輩のらくがき帳ですよね」 「きっと忘れていったんだよ。俺のところに持ってきて」 手渡してから、了理はふたたびチェアに腰かける。黎生はページを捲りだした。 「ほら、この窓から見える風景だ」 了理も覗きこむ。描かれているのは、さっと写生したラフなタッチなのに、相変わらずの緻密さと陰影の確かさを誇る情景だった。 「……やっぱり、ものすごく絵が上手いですね……」 「これは病室の絵」 ぱらぱらと捲っていくと、キャンパス、真堂邸、薔薇庭など、了理にも見覚えのある風景がいくつも見つけられるから、まるで走馬灯を眺めている気分にもなる。 メディコ・デッラ・ペステのスケッチを見つけ、黎生は楽しそうに目を細めた。 「あの夜にきみが被っていたマスクだ」 了理も嬉しくなる。さまざまな角度から模写され、崇史も調べたらしく『くちばしの部分には感染を防ぐために薬草を入れる』などと注釈も書かれていた。 クロッキー帳は、崇史にとってはメモ帳と日記帳を兼ねているようで、ところどころにそういった文字列も添えられているのだ。 (ときどきある、部屋の絵はなんだろう。ホテルの一室……?) ベッドルームに日付が記されているページが、何枚もあった。 「……いいんでしょうか、崇史先輩に断りもなく勝手に見て」 いまさらながら気になった了理だったが、黎生は当然のように言ってのける。 「崇史は俺の所有物だから、崇史の持ちものも、俺のものなの」 「何処かの悪童みたいなこと言わないでください、黎生先輩」 「悪童で結構だよ」 黎生は不敵に唇をゆるめた。次のページには了理の横顔もあり、了理は驚きに息を呑む。 「これは、いつの間に……!」 机にレポートとテキストを広げた姿だったから、三人で集まって勉強しているときに描かれたものらしい。黎生が教えてくれる。 「崇史が人間……っていうか、生きているものを描くのは珍しいんだよ、良かったね、了理君は崇史に認められたね」 確かに、崇史は風景ばかり描き、その情景には人影すらない。 「俺と舞花くらいしか、自分から描いたことないんじゃないかな……パパの仲間のおじさまに描いてって言われれば、愛想で描いてあげてるけど」 「こ、光栄です」 (崇史先輩も、多少は僕に好感を抱いてくださってるんだろうか……!) 冷めた態度も表情もわざとではなく、崇史の素だと理解しているけれど、なにを思っているのか読みとりづらいのも事実だ。だから、描いてもらえて嬉しい。 「……そういえば今日、崇史先輩は……?」 「知りたい?」 黎生はクロッキー帳を閉じ、布団の上に置いた。 当然、了理は頷く。 「はい……」 「知っても、きみなら、狼狽えることはないかな。崇史は俺の所有物だけど、いまもね、ときどきはパパの知りあいや取引先の人に崇史を貸してるの」 「貸すとは……」 「セックスの相手だよ。女の人とするときもあるし、ほとんどの人が崇史に抱かれたがるけど、抱きたがる人もいるんだ」 常識を逸脱した世界にいる彼らだからあり得ることと、すんなり納得もできたが、その一方でやはり驚きも隠せない。クロッキー帳にあったベッドルームの謎も解ける。 (……崇史先輩は、そんな状況でも絵を描くんですね……) 唖然としたが、相変わらずだなと微笑ましくもなる。 黎生はパジャマの胸元をぎゅっと掴んだ。 「了理君も知ってると思うけど、俺はちょっとおかしくって──……今頃、崇史が組み敷かれたり、組み敷いてるかと思うと……どきどきして興奮する……」 胸から指先を離しても、黎生は幸せそうに話を続ける。 「崇史を抱いた男に、どんなふうに犯したのか、話を聞きに行ったこともあるんだよ。終えてきた崇史にシャワーを浴びさせずに、そのまま俺も抱いてもらったのも悦かった。他人の匂いをつけた好きな人の身体ってすごく興奮した……」 「あぁ、なんとなく分からなくもないです」 たしかに、黎生の香りをさせている崇史に犯されるのは、退廃的な気分を味わえて心地よかったからだ。黎生は満面の笑みを浮かべる。 「さすがは了理君だね」 「最近気づいたんです……僕もきっと、世間一般にて現在、普通とされている価値観とは逸脱したものの見方の持ち主のようですから。黎生先輩のお話を聞いても、眉をひそめようとは思いません」 了理が、崇史にほのかな恋心を抱いているなんて、黎生ならとっくに気づいているはずだ……。 確信しているから、了理は心の内を明かした。 「僕は、黎生先輩と崇史先輩が仲睦まじくしているのを眺めるのが、崇史先輩に惹かれている気持ちとおなじくらい……好きです。癒されるというか、和むといいますか……そんな僕は変でしょうか」 「ううん、変じゃないよ、むしろ俺たちに親しみを覚えてくれて嬉しいよ」 黎生はほがらかに微笑い、了理は苦笑する。 「すみません……」 「どうして謝るの?」 「崇史先輩は、黎生先輩の所有品なのに、格好いいと思ってしまって」 打ちあけつつも頬が熱くなってきた。了理は黎生を直視できず、紅茶を啜ってごまかす。芳醇なダージリンを味わう。 黎生はとても寛大だ。 「全然いいんだよ、崇史には俺以外に惚れる自由はないけど、了理君にはある。了理君の片想いを縛る権利なんて俺にはないんだ」 了理は頷き、サイドテーブルに紅茶を置く。 「じゃあ、あの……! これからも崇史先輩に惹かれていて、いいですか……」 「構わないよ」 さわやかに快諾され、了理はほっとして胸をなでおろす。しかし、黎生は眉根を寄せた。 「……だけど、辛くないかな……? 絶対に了理君のモノにならないのに、想い続けるなんて。俺は永遠に……死んだあとも崇史を縛りつけるから……」 「了理君も知ってると思うけど……」と、黎生は前置きした。 「パパは崇史を気に入ってる。俺が死ねば崇史を跡継ぎにするはずだよ。舞花の婿だしね」 黎生の瞳に不穏な光が宿った。どこか残酷さも漂わせる薄笑みも浮かべる。 「最高だよ……」 くつくつと笑む黎生は、愉しげに肩も揺らした。 了理はただ、狂気に触れるような想いを抱く黎生を見つめる。 「俺の代わりに真堂不動産の社長にされて、次の跡継ぎを作らされて……俺のために真堂家の血に塗りつぶされる崇史の人生を想像するだけで嬉しくなるっ……!」 「あの、見届けてもいいでしょうか」 了理は軽く挙手し、黎生に尋ねた。 「黎生先輩がお亡くなりになったあと、僕はそれを、眺めていてよろしいでしょうか」 「もちろんさ。崇史をよろしくね」 黎生の微笑みが、残虐なものから、いつもの穏やかなものに戻る。 「崇史はね、のんびりやさんで、マイペースすぎるから……了理君に迷惑をかけることもあるかもしれない。あまりに度が過ぎたら注意してくれてもいいよ」 「いえ、そんな……崇史先輩に注意なんて」 できる気がしない。 (それに僕は、そういう崇史先輩だから、好感を抱いたわけで……) 大柄で、強面の美貌を誇るせいで、誤解されるというか、損をしている気がする。実はおっとりしているなんて、外見からは測れない。 「口数もそんなに多くないから、言葉が足りなくて、きみに嫌な思いさせたらごめんね」 「どうして黎生先輩が謝るんですか」 「持ち主としての責任だよ」 告げてから、黎生は了理と微笑む。 「あのさ、きみはさ、崇史と違って誰にも束縛されてないんだから、自由に人生を選べるんだ。叔父さんと、ちゃんと話しあってみたら」 「黎生先輩……」 ふいに気にかけられたことに、了理は驚き目を見開いてから、溜息を吐く。 「それは僕も思っていました。だけど、不安で……」 行動を起こせない。将来のことを両親に話しても聞く耳を持ってもらえず、官僚になれの一点張りだ。こんな状況を変えたいならば叔父と語りあったほうがいいのは分かっているが、怖かった。 「実の親の所にあっさりと僕を戻してしまったんです。ショックでした。叔父さんを本当の親のように感じていたのに……」 「なにか、事情があったのかもしれないよ」 「事情……とは?」 「さあ、なんとなく言ってみただけ。ほら、叔父さんの本意がいまのままだと分からないじゃないか」 「はい……」 黎生の言うとおりだ。了理は両手の拳を握りしめる。 「黎生先輩は……とても、優しいです」 「そんなことないよ、俺はただのエゴイスティックなマゾヒストだ」 「黎生先輩が亡くなってしまったら、寂しいです」 偽りなく想いを零した了理の呟きに、今度は黎生が瞳を見開く。 ひさしぶりにできた友達だ。 ずっと、ひとりで本を読んでいたり、勉強しているほうが楽しかった。学校生活では陰気臭いとからわかれたこともあったが、了理がなにも反応しないので、すぐに飽きられ、いじめの対象にはならなかった。いわば、いじめられっこ以下の空気のような存在だ。 黎生はすこし、照れくさそうに頬を掻く。 「えっと……俺も了理君と話せなくなるのは寂しいかな……残された時間はそれほど長くないと思う……お医者さんには十八歳まで生きられないって言われていたんだよ。だから、いわば、余生を満喫しているわけなんだけど……」 その歳で余生だなんて言わないで欲しい。了理は切なくなる。黎生はただ微笑む。 「最後にきみと出会えてよかった。学校では深くつきあえる友達なんてできないって思いこんでたけど、そんなことはなかったんだ」 「黎生先輩」 了理は決意を告げる──彼に約束したかった。 いまこの瞬間にでも、光のなかに溶けていってしまいそうなほど、儚さを纏う黎生に。 「やはり僕は……お医者さんになりたいです」 「うん、そうしたほうがいいよ」 穏やかな微笑のまま頷く黎生に腕を伸ばした。脆弱な細い手に手を重ねる。今日も黎生の白い手はひんやりとしていた。 |