序
祥衛は猫に向かって蹴る素振りをした。
そうすると猫は驚いて逃げる。
第二章 夜光虫
飛沫が跳ねて、罵りまみれのランドセルが
飲み込まれてゆく。
第四章 喪失
愛すべきものの為に死ぬのは美談かもしれないが、
憎いもののために血を流すなんて愚かだよね。
第五章 逃避行
二度と現実に帰れなくても構わないから、
俺を廃人にして──!
第六章 壊れた人形
俺だって虐待されてたよ。
でも俺は自分のこと不幸だなんて絶対思わない。
第八章 少年男娼
祥衛は少しだけ微笑う。
それから、フェンスから背を離した。
第九章 羽根
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