あり得ないほどの色気、と
人々を惑わせる魅惑の微笑で。

第一章 秘密

それは何度かは跳ねたものの、
向こう岸には辿りつかず途中で沈んだ。

第二章 艶談

女たちのなかで常に指名数と売上一位を維持し、
咲き誇り、君臨している。

第三章 麗人

早百合は傘をくるくると回し、
「いいのよ」と微笑う。

第四章 夏眠

体位の乱れる克己の視界は、
ほどけた髪に覆われて見えなくなる。

第五章 欠片

……貴方と同じ轍は踏みません、
楓さん。

第六章 朧月

克己は完璧すぎて──……
冷たくて、機械的。

第七章 水恋

克己は突然に切ない気持ちに襲われ、
ぎゅっと唇をつむった。

第八章 華談

克己は突然に切ない気持ちに襲われ、
ぎゅっと唇をつむった。

第九章 追夢

病に弱ってからの静間ではなく、
ひさしぶりに往年の凄みを放った眼光だ。

第十章 正鵠

俺は……、俺はぁッ……
長原克己だ……!!!

第十一章 鬼胎

ふたたび、
思い出の欠片に溶けてゆく。

第十二章 胡蝶の夢