生きるための理由をかき集めて、
零さないようにぎゅっと握りしめる。

第一章 決意

現れたのは大貴だ。ただし、
祥衛の知っている大貴とはすこし違う。

第二章 月光

本当のことを話すつもりはない。
死ぬまで嘘を貫くつもりだ。

第三章 産声

開かれるスキ間からこぼれてくる暖色の光。
流麗な旋律を響かせるジャズ。

第四章 Nightmare

彼は人形を愛でるように祥衛の全身を撫でた。
もっと粗雑に扱ってくれても構わない。

第五章 初夜

大貴の姿にはひどく色気があった。
祥衛の脳裏に、怜に連れられた宴の夜がよぎる。

第六章 Adolescence

このまま目覚めなかったら、どうなるのだろう。
簡単な答えだ──

第七章 Gravity

なんでもひとりで、背負いこまないで。
貴方の抗いは、孤独なものじゃない。

第八章 体育祭

飛びこんだ世界の怖さを、
大貴に課せられた闇の深さを、またすこし知る。

第九章 Neoteny

キスしても、フェラしても、ホモのセックスしても、
ともだちって、思ってくれるの?

第十章 約束

眩しい笑顔は、退廃したフロアの雰囲気には
あまりにも不釣りあいだ。

第十一章 the Epicurean

もっと……たいせつにすればよかった。
どうして、離れて、気づいたんだろう……

Epilogue