…毒サレタ躰ト 忌マワシキ胎児 愛憎ト虐待 爛レタ夜…




▽ 愛 憎 篇

許せない。理解できない。ありえない。
何故こんな目に遭わなければならないのか?

第一章 呪縛の家

読者諸君に告白しよう。
私は彼に対し、性的興奮を禁じえなかった。

第二章 ウサギ

あんな女どうでも良いと思えさえすれば
自分だけでも救われるのに……

第三章 愛と憎悪

春江は微笑んだ。嫌なことも全て忘れられる、
健次と過ごしている時間だけは。

第四章 落胤

煙をくゆらせたまま、健次は死にかけの蝉を
踏みつぶした。焦げ付いて、燃え朽ちる命。

第五章 恋

強ければ死なずに済む。
だから俺は、地獄の虐待に晒されても此処に生きている。

第六章 狂気の焔



▽ 生 殺 篇

まあ、綺麗ね。今夜はお月さまが。
つかさ、綺麗ね。あなた……

第七章 糸を引く蜘蛛

媚薬を使われているのかと、ぼんやりとした頭で思った。
凄まじく押し寄せる快楽で深くモノを考えられない。

第八章 罠

イッたね。また、俺に掘られて。
秀乃は抽送を止め、腕で目元を隠す健次を見つめる。

第九章 蜜月

何に屈することもない。
だから俺は惹かれるんだ……健次に……!

第十章 躰に秘められた真実

何でもないときでもふと健次のことを想い、
畳にぽつぽつと染みを作ってしまう時もある。

第十一章 恍惚の夜

俺が、もっと早くにあいつを殺しておけば、
こんなことには……春江……痛いか……?

第十二章 激情

何も話しかけず、春江は健次の肩にもたれた。
健次も何も言わない。言葉などなくても、愛しい。

第十三章 鼓動


▽ 後 日 談

青空は高く風は暖かい。
健次の姿を眺める秀乃は、微笑む。

第十四章 安穏