ひとりでお留守番……できる……?

美砂子はひとりで泣いているのだろう。
 セイは……異国の地へと連れられて行く最中なのだろうか。

第一章 落札

あの少年の未来が少しでも幸せであればいいなと
大貴は想った。

4 月 1 3 日 2 3 : 4 5

処刑台でギロチンを
落とされたような気分になる。

第二章 霧中

抱かれつづけてきたツケが、これなのか……
健次は笑った。笑うしかなかった。

4 月 2 7 日 1 0 : 3 7

楓は切なく微笑んだ。
此処が底なら……後は昇っていくだけだ。

第三章 浮標

窓辺から離れる克己に、水蓮は告げる。
お前はお前の人生を歩めばいい。

6 月 1 0 日 1 3 : 5 2

楓の瞳にも確かに映った。
真夜中の海上に浮かぶ、豪華客船が──

第四章 娼年客船

ある瞬間、椿は微笑った。
……眞尋くん、全然変わらないね……。

7 月 3 日 1 9 : 0 0

Sing with a beautiful VOICE!!

第五章 謡

誰も下りて来るはずのない階段を見つめ、
真希は佇む。

8 月 2 0 日 1 6 : 2 8

……あんたたちを見ていると
前向きな気持ちを思いだすんだよな。

第六章 安穏

壮一を殺してから、夢のような10年間だった。
夫婦のようだと錯覚できる時間も多かった。

1 0 月 1 1 日 1 5 : 0 0

あぁ、ここから恋が始まった……
風に舞う火の粉の中で、楓は表情を歪める。

第七章 終焉の彩

健次は「嬉しかったんだ」と、噛みしめるように呟く。
秀乃の涙は止まらない。

1 0 月 1 1 日 1 6 : 3 0

……おれのすきなにおい──……
……ねぇ、それでね、おとうさん──……

第八章 轍

瞳を開いて見つめるこの世界を知れてよかったと思う。
夢の底で憂いていたほど、現実は悪い場所じゃない。

終 ニライカナイ